【寺子屋レポート】「美しい写真にはパワーがある。人と差をつけたい方へ。商品の魅力を引き出す『カメラ』パーフェクト講座~写真中級編」を開催しました
うがみんしょうらん。
2022年度 奄美市フリーランス寺子屋、第2回目の講座は「美しい写真にはパワーがある。人と差をつけたい方へ。商品の魅力を引き出す『カメラ』パーフェクト講座~写真中級編」。
スマートフォンで高画質の写真が撮れるようになり、本格的な一眼レフ、ミラーレスカメラが追いやられている…そんな中、被写体の魅力を引き出す、スマホとはレベルの違う写真の撮り方をプロカメラマンわたなべりょう氏から学びます。
日程:2022年11月20日(日)
場所:奄美市WorkStyle Lab、ZOOMオンライン
講師:こども・かぞくカメラマン/ストックフォトフォトグラファー わたなべ りょう氏
受講生:17名(会場参加11名、オンライン参加6名)
| 講師
わたなべ りょう氏
こども・かぞくカメラマン/ストックフォトフォトグラファー
東京都生まれ。 2007年武蔵野美術大学卒業後、独学にてポートレートを中心としたストックフォト作品や家族写真を中心に撮影を開始。自身の撮影経験をもとに、ニコンカレッジにて写真講座の講師を担当。
写真をお伝えしてきた経験を活かし、一般の方に広く写真を楽しんでもらうべくYouTubeチャンネル「わたなべりょう」にて情報を発信中。自身がメカに弱かったこともあり、そういった人に伝わることを意識して内容を企画。動画内で使用する写真の撮影はもちろん、動画企画、台本ライティング、動画撮影、テロップ&効果音選び、編集作業なども全て自身で行なう。2022年現在、チャンネル登録者数2.7万人。
| 自分の感覚を大切にする
午前は、座学でカメラ、写真の基本的なことを学んでいきます。
写真を自分の思い通りに撮影し、カメラをもっと楽しむためには、以下の2つのことを整理して考える必要があるとわたなべ先生は伝えます。
写真を学ぶにあたり、
答えのある問題 「技術・知識」
例えば、ピントを狙った場所に合わせる方法や、写真を明るく撮る方法、ブレないで写すための設定
答えのない問題 「感性・イメージ」
「お花を美しく撮るにはどうしたら良いか」「旅行写真を素敵に撮るにはなんのレンズを使うのが良いか」「女性をキレイに撮る方法」 などに関しては、絶対的な答えはありません。
ただ、「答えのある問題」で得た知識を組み合わせて、自分なりに発想していけば、自ずとアイディアが沸くのではないかと話します。
|カメラのモードと撮影の感覚を掴む
カメラには、シャッタースピード、ISO感度など設定項目があり、それぞれ細かく設定でき、撮影モードも複数あります。
わたなべ先生はその中でも「Pモード」がおすすめだと伝えます。
Pモードとは…「プログラムオート」の略で、絞り(F値)とシャッタースピードをカメラが自動的に決めるモード。露出、ISO感度、フォーカスモード、ホワイトバランスなどは好みに合わせて設定できます。
設定した後、各自で実際に撮影してみます。
フォーカスポイントを狙い、狙ったところにピントを合わせてシャッターを押します。
フォーカスについては、レンズ前に物を置き、手前に”あえてボケをつくる”「前ボケ」という撮り方などを教わりました。
その他に、露出補正などの設定。また、部屋を暗くしISO感度の調整を学びました。
ISO感度とは…光を増幅させる度合
表し方は、100、200 ・・・800・・・3200・・・ 数値が少ない方が光を増幅させない=暗い となります。
また、部屋によって、光の入り方が違います。
例えば、順光、逆光、サイド光など、光の向きが違うだけでこのように違ってきます。
|実践!被写体を撮影する
午後からは、グループに分かれ、食べ物(ドーナツ、紅茶ポット)大島紬(財布)、飲み物(黒糖焼酎の瓶とグラス)3つのテーマに沿った被写体の撮影をしました。
各グループで、光の当たり方を考え、被写体の向き、レイアウト、構図、どこにフォーカスを合わせるかなど、それぞれ試行錯誤しながら撮影しました。
わたなべ先生からのアドバイスを受けながら、皆さんそれぞれの感触を掴まれていた気がします。
|写真加工ツールでより自分さしさを
撮影実習後は、写真の補正・加工の実習をパソコンを使用して行いました。
補正ができるツールは、有料・無料各種さまざまありますが、今回使用したのは、無料で使えるオンラインツール。
ダウンロードなどする必要もなく、通常ブラウザから開いて使用することができるのがいいですね。
■使用ツール:ピクセラ (画像の明るさ、色などの調整ができるツール)
写真は補正によってがらりと雰囲気が変わります。
例えばこんな写真。暗い部屋で撮ったような、何とも色合いが悪い写真です。
このような写真の色や、明るさなどを調整するツールを使い加工します。
わたなべ先生は、
「まずシャドウの調整、その後、ホワイトバランス、彩度などの調整をすると失敗が少ない」とコツを教えてくれました。
もちろん他にも調整できる部分はありますので、まずは自分で試してみることが大切ですね。
補正によってこんなに明るく、おいしそうになりました!
例題の写真の加工が一通り終わると、いよいよ先ほど撮影したものの中でベストな写真を選び加工します!
これは、課題として出されたので、ご自身で持ち帰り、加工ツールを使用し、自分の判断で完成させ、それを提出します。
提出された皆さんの作品は、同じ被写体とはいえ、
例えばグラスをどの向きから撮り、光をどの方向から当てれば素敵なグラスになるだろう…など、
同じ構図の写真は無く、それぞれの個性が出ていました。
被写体の魅力を引き出すのは、頭を柔らかくし、自由な発想で「こんな写真が素敵だな」とか「この色がキレイだな」と「こんな写真が撮れたら楽しいな」という自分の感覚を大切にしてみましょう。